オーディオオタクかつ電子工作オタクな私は現在USB-DACを製作しております。実はこのプロジェクトの構想自体は高校生ごろからあったのですが、資金と時間がなかったため実行に移せていませんでした。
大学生になりバイトなどで資金が調達できたので、製作を始めました。
このブログを立ち上げる前にすでに製作し始めていたので、今回は現時点までの進捗を報告したいと思います。
製作の動機
私はオーディオオタクの中でも特にイヤホンオタクであるので、様々なイヤホンを愛用しています。しかし、現在のイヤホン業界は端子の統一がされていません。そこで様々な端子に対応したUSB-DACを導入しようと考えました。しかしUSB-DACは当然端子が増えれば増えるほど、高額になる傾向があります。例えばSONYのTA-ZH1ESはあらゆる端子をこれでもかと網羅してますが、実売価格で20万円ほど。高すぎる上に私のような素人耳にはオーバースペックだと思います。
かと言ってあまりに安すぎるUSB-DACはどんなDACチップを使ってるか分かりませんし、音質(プラシーボ9割)にも悪影響がありそうです。というわけで自作することにしました。自作なら自分の求める機能だけ搭載出来て、音質も自分好みに調整できます。
開発コンセプト
今回の製作の上で重要とするポイントは以下の通りです。
- 原音再生重視(低音ブーストとかはやらない)
- フルバランス構成
- PCM/DSDハイレゾ対応
- 搭載する端子は6.3mm、4.4mm、3.5mm、2.5mm(できたらアンプ接続用XLRも)
- 後から音質を調整できるようにアナログ部基板はユニット化
- デジタル部は配線量が半端ないので一枚にまとめる
- スイッチング電源はもちろん論外です
以上の要件から大まかなブロック図を作成しました。

なんとなく日本製だと音がよさそうな(気がする)ので心臓部のDACチップは旭化成のAK4490EQを選択。今思えば、AK4497とかでも良かったかもしれません。AK4490と比べて特性が良く、アナログ系統の1.8Vが増えるだけだった気がします。AK4499は足が多いので嫌い。
試作版の製作
というわけで回路構成がだいたい決まったので試作機を作ります。回路はデータシートまんまコピペしています。始めはユニバーサル基板上に実装していきます。AK4490はQFP48ピンパッケージなので変換基板を使いました。結構コンデンサが多いので変換基板上に載せてしまいます。

このいかにもヤバそうな基板で動作テストを行いました。結果やいかに、、、

動かない。知ってた。
プリント基板の作製
動かないのは目に見えていたので、あきらめてプリント基板作ります。回路はデータシートのものをI2C仕様にして、アドレス変更用ピンヘッダーを追加しただけです。参考にさせていただいたサイトを載せておきます。
基板設計はKiCADで行いました。一応作製した基板データを貼っておきます。自己責任で使ってください。
なお、この基板はGitHubで公開されているフットプリントを使用しているので、利用するには以下のライブラリをKiCADにインクルードしてください。

基板はアナログ部とデジタル部でグランドベタが分離している構造になっています。電源部などで双方のグランド電位を一致させてください。
試作二号機動作チェック
基板が届きました。JLCPCBに製作を依頼して結構すぐ完成しました。

というわけでテストしていきます。

動いた!!
普通に動いてくれました。最小構成なので、DACからTPA6120に直結しています。音量調節はもちろんできません。(爆音)
長くなったので今回はここまでにしますが、次回からは音量調節やらケース作製したところまで書きたいと思います。多分次回で最新の進捗に追いつくと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
この記事を書いた人

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とある理系大学に通う逸般的なオタク。
趣味は電子工作、オーディオ、サーバー管理など。
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